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師走になれば風呂がわく #1

12月。
一年でもっとも寒いこの時期になって、俺はようやく温かい風呂につかりたいと思うようになっていた。年間を通じて、お湯の張った湯船につかることがほとんどない俺だったが、さすがに寒さがこたえた。

部屋で机に向かいキーボードを叩くにしたって指先が冷たすぎる。足の指だって、ふくらはぎやももだって寒い。背中首筋わきの下、耳、耳の裏、そして丸坊主の頭頂部にいたるまで、全身寒いのが冬だ。

いまの時代、スイッチひとつで自動的に風呂がわく。便利な時代になったと思う。思うが気を抜いていると、たまに大失敗をやらかすのもこの時代の常であろう。湯船の内部をせっけんで洗い流し、そのまま風呂の栓を抜いた状態にしていたため、熱いお湯を大量に下水に捨てることになった。俺は、30分ほどお湯を捨て続けた。

翌日、水道局のまじめそうな巡回員が様子を見に我が家をおとずれた。巡回員はにこやかだったが、俺には、俺のまぬけさを非難しているような小ばかにしているような眼に思えた。
「事故か何かがあったのかと思いまして。何もなければいいんです」
巡回員は、そう言ってにこやかに去った。俺は、資源を無駄にしたことを恥じた。

しかし、そのぶん水道料金を払うのだから文句を言われるすじあいは無い。俺は、ある意味、貢献しとるんだぞ。そう思ったが、そう言ってやる相手もおらず、寂しい思いで仕事部屋に戻り、冷たい指先どうしを素早くこすり合わせて寒さに抵抗してみた。
 


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